Live Report

2008.2.13.
フェニックス・エヴォリューションシリーズvol47
青の時間〜シャナヒーが伝えるトラディショナルフォークの世界〜

8月のチケット発売以来、半年かけて準備した今公演は、雪が降る寒い中無事に開催することが出来ました。
ご来場くださった多くのお客様、入念なサポートやお力添えをくださったホール関係者の皆さま、そして安心して演奏させてくださった音響のスタッフの皆さま、本当にありがとうございました。




フェニックスホールは、ガラス張りの背景の向うに大阪の街灯りが透けて見える幻想的な舞台です。
演奏者の背中が映っているのが不思議な感じですね。。



雰囲気のある舞台なので今回は凝った照明はなし。
難しいPAはNMGさんにお願いしました。

お客様が耳を澄まして聞いてくださってるのが伝わり、緊張感も心地よく感じられます。
1部の選曲は定番モノに加え、このホールの持ち味を活かせる様にと新曲をいくつか加えました。
カロデンはリアレンジして。


King of the fairies 妖精の王様

帰ってきたジョニー
Silent, Oh Moyle  静かに、モイル

PJ

Bonnie Charlie ボニー・チャーリー
Culloden's Harvest カロデンの実り

雨の中で
月の庭 〜Sally Garden〜

Tommy's Tarbukas Reel Set

帰ってきたジョニー 映像
PJ映像
upしました!(4/11)



ダンスチューンの後はだんだんいつものノリになってきました(笑)



メンバー紹介・曲紹介などを交えて。
いつになく凝ったプログラムを作り、曲解説もしっかり載せる事ができたのでMCは楽々でした。

プログラム製作ありがとう、Odaちゃん!





akiとnamiでシンセを交互に担当。
akiちゃんもシンセは今やお手のもの。



vokal・Norikoは1曲目から最後まで堂々と歌いきりました。
後ろから見ていてとっても頼もしく感じました。



さて、二部は朗読家・近藤明子さんを迎えての朗読コンサートです。
物語は小川未明の「赤い蝋燭と人魚」
2005年にメイシアターで初演したときからさらに検討して曲や言葉を変えての今舞台。
朗読家が加わったことで演奏にも自由さが加わり、また前回難しかった音響面は前日リハを設けたことで余裕を持って出来たと思います。

朗読と音楽とのバランスはやはり難しいところでしたが、いかがだったでしょうか。






近藤さんとNorikoが交互に登場します。


―第2部―

小川未明 作 「赤い蝋燭と人魚」による
語りと音楽のコンサート
(文:近藤明子 構成・音楽 上原奈未)

T.
An mhaighdean mhara 人魚 (Ireland Traditional )

U.
Agnete og havmannen 人魚 (Norway Traditional)

V.
Mermaid 人魚(Scotland Dance Tune )
Se,solens skjonne lys og prakt (Norway Traditional )

W.
Sjojungfrun och konungadottern 人魚と王女 (Sweden Traditional)
Sea longing 懐かしい海 (Scotland Traditional)

X.
Vanner og Frander 親戚と友人 (Sweden Traditional)

Y.
海 (オリジナル)


第1幕映像
upしました!(4/9)



近藤さんの朗読は言葉の表情も起伏に富んでイメージが膨らみます。
練習のとき、古本屋で明治時代の未明の初版本の復刻版を見つけたと持ってこられ、
この本の様な時代色を感じさせる朗読にしたいと語っておられました。


練習時には毎回手作りのケーキやお菓子やジャムが。。。
本番の日にも手作りクッキーの差し入れを持ってきてくださるなど、本当に器用で素敵な方でした。
そんな心の豊かさに憧れます・・・






プログラムからの解説      


小川未明(本名小川建作 1882生 1961没)は新潟県上越市出身の小説家、児童文学者です。
早稲田大学での学生時代に坪内逍遥やラフカディオ・ハーンの指導を受け、小説家としての地位を築きました。
卒業後は小説を執筆するかたわら、童話を製作していましたが、1926年も童話の製作に専念することを発表。その後児童文学の近代化や地位の向上に貢献し「日本近代童話の父」「日本のアンデルセン」と評されています。代表作はこの「赤い蝋燭と人魚」のほか「野ばら」などがあります。

「赤い蝋燭と人魚」は1921年に朝日新聞に連載された童話です。子供を身ごもった人魚がわが子の幸せを願ってその子を人間の老夫婦に託しましたが、はじめは大事に育てていた老夫婦も金に目がくらみ、人魚の子を獣のような扱いで売ってしまい。。。
人間の本質に迫るこの物語は淡々とした語り口で始まります。



An mhaighdean mhara 人魚
アイルランドに伝わる人魚伝説が題材となっている曲です。
人魚に恋をした漁師が、人魚の冠を隠して結婚し、子供をもうけます。数年後子供たちが冠を見つけ、人魚である母親がそれを頭にのせるとどうしても海に帰りたくなり、子供と夫を残して去っていくという物語です。


Agnete og havmannen 人魚
こちらはMermanと言われる男の人魚のお話。アイルランド版と逆で、男の人魚が人間の女性に恋をする物語です。
今回は器楽で演奏しています。

Mermaid 人魚
スコットランドの3拍子のダンスチューン。
今回は歌詞がついているバージョンもご紹介します。

Se,solens skjonne lys og prakt
ノルウェーの美しい旋律に日本語の詞をのせて。

Sjojungfrun och konungadottern 人魚と王女
スウェーデンの物語歌。今回は器楽で演奏しています。

Sea longing 懐かしい海
スコットランド領シェトランド諸島の歌。シェトランド諸島には海をモチーフにした歌が多く残されています。

Vanner og Frander 親戚と友人
スウェーデンの物語歌。歌の内容は物語ですが、ここでは悲劇へつながっていく予感と海に飲まれる情景を描きます。


もともとは今回の企画とは別に作りかけていた曲でしたが、物語とイメージが合い、テーマ曲として用いました。
ただこの幸せだけを願ったけれど、叶えられなかった母人魚の行き場のない悲しさを、荒涼とした海の情景と重ねて表現できればと思います。






ホールの方からお花を頂いてびっくり!有難うございました!
アンコールは「てぃんさぐの花」を演奏させて頂きました。



このフェニックスの舞台までに様々なことが起きたシャナヒーでしたが、
多くの方に支えられ無事に終了することができ、感謝の気持ちでいっぱいです。


そして快く作品の使用許可を下さった小川未明氏のご家族の皆様にも感謝いたします。
これに留まらず、また語りとシャナヒーの世界をもっと進化させていきたいと思っておりますので、どうぞ楽しみにお待ちくださいね!


CD製作がとても間に合わなかったことだけが心残り。。。
だけどとても嬉しいことも!
今回のフライヤーに素敵な作品を使わせていただいた大好きな画家さん、清嶋素子さんにセカンドCDのジャケット製作を承諾していただいたのです。



これは私もがんばらねば!というわけで今年中には作りたいです。
こちらも気長にお待ち下さい!!

映像もUPする予定です。
遅くなりましたがリポートを最後まで読んでくださりありがとうございました。

なにはともあれ、皆さん、お疲れ様でした〜!

もどる